10年以上前の患者さんが覚えていてご来院下さいました。感謝!!

つい先月のことですが、10年ほど前に治療させていただいていた全く別々の患者さんが2人、わたくしのことを覚えていてくださり、治療院を移転していたのに、探しだしてご来院くださいました。とても嬉しかったです。

今年で開業して15年経ちますが、当時、新米の部類の鍼灸師を信頼して、通院してくださいました。
当時の話をしていて、脈診で患者さんの内側の情報をとること意外(実は、脈診の内容も当時とは、変わってきている)、今では、かなり鍼灸の処方システムや鍼の施術方など変わりました。特に、鍼の数が圧倒的に少なくなったこと。これは、日々の研究と臨床経験によって、効率的にどこに打てばよいのかを絞り込めることになったことと、刺し方が全く簡単に変わったからです。そもそもあまり刺さないで、身体のバランスを調えてゆけるようになっってきております。
10年前は、患者さんの身体に数本から多いときは20本近く鍼を打って、しばらく置いておく留置鍼法がメインでした。でも、これではリアルタイムの患者さんの反応を見逃すことがあります。なので、ひとはりひとはり、打っては患者さんの脈の変化を確認して調整する施術法に変えてゆきました。もちろん、必要があれば、今でも、留置鍼をすることもあるのですが、極々わずかになりました。

中には、患者さんによっては、患部に鍼を打つと、病状が悪化することもあるので、それを説明したうえで、患部を調整出来る他の部位に鍼をしましたら、患者さんから”ど・ケチ!”と言われまして(苦笑)、治療室の中で、その患者様と大喧嘩をしてしまったこともあります。 しかしそれだけ患者さんの症状が差し迫っていたのだから、患者さんの気持ちの誘導をもう少ししっかりと出来なかったかなあと反省することもあります(大汗)。

また患者さんのお言葉に当時を振り返り、治そう、治そうという気持ちだけが前面に出すぎていて、患者さんの症状ばかり追っていて、つい鍼数が多くなり、かえって患者さんに負担を掛けていたことも多かったように思いました。

どのように脈の形が変わればこれからよくなられてゆくのか、よくならないのかも、正直、脈診の理解が甘かったようにも思います。しかも単純に”治すこと”だけが全てで一直線だったように思います(汗)。

これは、一生懸命に施術するのは大事なのですが、過ぎれば、患者さんの本来もっている自然治癒力を全く無視している行為ですし、患者さんの皆さんが、何故、病や不調に至ったのかを説明することがあったとしても、患者さんが健康や元気を再び得ることに関して、十分に考えていただく機会を奪っていることにもなりまかねません。

われわれの役目は、鍼をすることによって治療するというよりも、むしろ患者さんのもつ自己治癒能力を最大限に引き出す”お手伝い”をするのだということ。その意識をもって施術にあたることが大事だと考えるようになりました。

施術者の単なる自己満足行為に終わってしまうのは、長い目で見た場合、かえって患者さんの不利益になりますし、あまりにも残念なことです。この患者さんの苦痛を少しでも和らげることと、患者さん自身が自己治癒の主体者であるという意識を持ってもらうこととの狭間で日々、鍼療に臨んでおります。

なので、今は当時に比べると黙々と単に鍼をしてゆくのではなくて、鍼療を進めてゆくなかで、どういうことでこの状態になったのかということを、衣食住の観点、日ごろ取りがちな姿勢や行動、思考習慣(とくに「五行の偏りの観点)を一緒に確認しながら、気になったこと、改善していただきたいことなどを、出来るだけ分かりやすく説明するようにしております。必要に応じて、日々、簡単に取り組める気功法、呼吸法、養生法なども紹介させていただいております。

また、精神の緊張度の高い患者さんには、無理矢理にではないのですが、すこし、リラックスしていただけるよう笑いを誘導させていただくこともあります。実は、わたくしも、もともとは、もの凄くおっちょこちょいな性格なのです。そのためなのか、よく患者さんの皆さんは、何でも話しやすい、たずねやすいと仰ってくださいます。
これからも益々、真剣に、そして楽しく、人と人とのお出会いを大事に鍼療をさせていただきたいと思っております。
当時も今も、患者さんに少しでも苦痛を和らいでいただきたい、元気になって欲しいという思いは、まったく変わっておらぬことを、今回、そのお二人の患者さんとともに再確認できたことは、私自身、とても嬉しいことでありました。

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