氣と経絡の実在への信頼と理想の治療法確立への思い ~1~

まず、前回も書きましたように、氣の存在を前提としない鍼灸治療でも、素晴らしい効果を発揮されている先生方も中にはおられることを一応、再び述べておきます。 また、結局治療家は、自分が一番取り組みやすい、取り組みたい手法を選択してゆく事にこしたことはありません。
そういう意味で、わたしは、氣の存在を施術対象とした鍼灸施術法と、氣の流れ方は意識しているものの、それを直接なターゲットにしていない施術法、特にこれは整体などの手技療法には優れた手法もありますので、現時点ではそれを患者さんの症状に対して、適宜、ベストな選択で施術させて頂いております。
今回は、その接点と選択の理由、そして、新しい手法の確立なそ将来への目標に関して書かせていただきたいと思います。

以前も、ブログにも書きましたが、わたしは、治療業界に入る前から、また入ることを全く考えていなかった頃から、中国の伝統的な太極拳の伝人から、気功と太極拳を数年間習っておりました。バブル崩壊の前ですから、既に20数年前の話ですが、毎週先生は、気の実在の証明として、日常の世界では考えられないようなことを見せてくださいました。例えば、まるで漫画の世界のようなのですが、離れた人を氣の力で倒すとか、背後から人の手足を遠隔で動かすとか、触れずに仙骨の調整で足の長さを揃える等等枚挙に暇がありませんでした。

しかし、ことわたし自身の氣の感覚に関しては、当時は、「これがそうなのか、どうか??」と、正直、ほとんど分らず自信がありませんでした。
鍼灸師になってから、日々の臨床の中で、脈診と相俟って徐々に徐々に確信が増してきています。
自信がなくても途中で投げ出すことがなかったのは、この気功や太極拳を習っていた時代に圧倒的な氣の実在経験(漫画のようですが)がベースになっているからです。

そして、幸にして鍼灸学校に入ってからも、わたしの周りの先輩方や勉強会の先生方は、経絡の氣を調整する伝統的な鍼灸治療で、難しい症状や癌に対してさえ、素晴らしい効果を発揮されていたので、当時から、いつかもっと脈診がわかるようになりたい、もっともっと経絡の氣を操作できるようになって、患者さんの苦痛をやわらげられるようになりたいと思い、今に至るまで、20年近く一心に取り組んできました。

また黄帝内経という古代の医経(主要医学書)によれば、本来鍼灸治療は、五臓六腑や経絡(からだの内外を繋ぐ氣の連絡路)の氣の流れ方を調整する道具であることを明らかにされております。そして先輩、先達の先生方からは、如何にそのことが重要なことを意味するのかということ、また、後輩たちに継承してゆくことの重要性を繰り返し繰り返し、諄々と説いてきかされてきたこともあります。

患者さんの様々な症状で多いものの一つに、”痛み”があります。
次回は、この痛みと氣との関係について少し書かせていただきます。

(2014年 9月22日 初出)

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